OTRS 作業分析/業務最適化ソフトウェア 導入事例

トヨタ紡織株式会社様|改善ポイントを映像で共有
作業最適化ソフト「OTRS10」で生産効率が約25%向上

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業種:製造業

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従業員数:41,409名

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売上高:1兆3,579億円

* 連結(2017年度)

創業 / 設立:1918

所在地:448-8651 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地

事業内容

  • 内装システムサプライヤー事業と内装製品製造および販売
  • 自動車用フィルターおよびパワートレーン機器部品の製造および販売
  • その他自動車関連部品の製造および販売
  • 繊維関連製品の製造および販売
toyota boshoku seats

導入前の課題

人によって作業にバラつきが発生し、生産性が上がらない

導入後の効果

生産効率が約25%向上し、生産計画クリアが可能に

導入の背景(課題)

紙ベースの帳票も現場の作業も“標準”がなっていない状態

「標準のないところに改善はなし」をモットーに生産現場における標準作業を推進しているトヨタグループ。その一角を占めるのトヨタ紡織株式会社では、基本となる標準3票(トヨタ生産方式の標準作業に欠かせない「工程別能力表」「標準作業組合せ票」「標準作業票」の3点セット)などの帳票類をこれまで紙ベース運用していました。しかし、作成者によって記載レベル(細かさ)が異なり、作業者によって作業にバラつきが発生。エアクリーナーなどの主力製品は、期間を経て一定レベルまで改善されたものの、立ち上がったばかりの生産ラインではそれが望めませんでした。そもそも決めた「標準時間」の正確性に問題があり、各所で数値違いや、手待ちが発生。

再度ストップウォッチで計測して「標準時間」の改訂に迫られるなど、改善着手以前の問題だったと言います。こうした中、元トヨタ自動車の沼氏を新社長に迎えたことで、トヨタ紡績の生産現場の課題が改めて提起され、改善・解決に向けてのプロジェクトが動き出しました。

Takashi Sato

「刈谷工場の帳票が標準化されていない状況を見た沼社長から、『この様子では標準作業もできてないはず。一緒に一回立ち止まって現状作業をしっかり見て見ることからはじめよう』と早々に指示をいただきました」と語るのは刈谷工場 ユニットグローバル推進室の佐藤氏です。

選定ポイント

開発に協力した経緯もあり、トップダウンでOTRSを選定

現場の作業を分析するためのツールとして、沼社長から具体的に提示されたのが、作業分析 / 業務最適化ソフトウェア「OTRS」でした。20年以上の歴史と、豊富な導入実績などが評価され、佐藤氏が所属する刈谷工場へ最新バージョンの「OTRS」の導入が決まりました。

「一般的な動画編集ソフトだと撮影して、動画をただ、見るだけですが、OTRSならを撮影した動画データを要素作業ごとに細かく動作解析をすることができます。正確な標準作業を簡単に引き出すにはまさにうってつけのツールだと思います。」– 佐藤氏

導入プロセス

真に現場で使えるよう半年以上をかけてグレードアップに注力

2017年2月の導入後、佐藤氏は10月までの半年以上をかけ、OTRSにどんな機能があるのか、作業や帳票の標準策定やデータ収集&DB構築など、どういうふうに活用していくかについてじっくり検討。同時に様々な製造業でより使い勝手が向上するよう、メーカーであるブロードリーフに対しアップグレードを提案し、それを実装してもらうことで、まずは土台作りに力を入れたと言います。

「例えば、ラインでは5サイクルに1回の割合で非定常の付帯作業が入り、そこで手待ちが発生することがあります。当初OTRSでは、この付帯作業を盛り込むことができませんでしたが、こちらからの提案を受けてすぐに反映していただきました。従来の手書きの帳票では表現できなかった手待ち発生をデータ化し、それを踏まえた標準作業を定められるようになりました」– 佐藤氏

導入効果

“早い作業”を全員でチェックし約25%の生産性向上を実現

立ち上がったばかりの「モーター with ギア」は、なかなか生産性が上がらない一方で、すでに生産能力を上回る台数が見込まれていました。早急な改善が求められていたこともあり、管轄する工長の理解もすんなり得ることができ、早速、昼夜勤全員の作業を撮影することに。OTRSで要素作業を分けて細かく分析した結果、人によって作業にバラつきがあることがわかりました。

データを細かく比較分析することで、要素作業ごとに誰の作業が一番早いのかを把握。映像を全員に見てもらうことで、従来の紙の要領書では伝えることができなかった手の細かな使い方も説明できるようになり、作業者からもさまざまな改善案が生まれ、約25%の生産性向上を実現したと言います。

Takashi Sato 2

「生産性が大幅に向上したことで、なんとか計画クリアも見えてきました。一番うれしかったのは、職人気質の工長が『いいツールを導入してくれてありがとう』と言ってくれたことです。現場の負担となり、迷惑ではないか?と不安もあったのですが、みなさんとても強力的でお互いアドバスしあうなど、チームワーク向上にもつながり、正直、ほっとしました」– 佐藤氏

こうした準備期間を経て、立ち上がったばかりの製品「モータ with ギア(シートポジション調整用のユニット製品)の生産ラインで、いよいよOTRSの本格運用が始まりました。

ユーザーと協働でアップグレード

カスタマイズには対応していないOTRSですが、20年余の歴史の中で、トヨタ自動車をはじめ日本を代表する企業との協働により、絶えずアップグレードし続けています。

今後に向けて

OTRS10の全社普及を推進し、絶え間ない改善を目指す

OTRS活用のメリットが見えてきた今、佐藤氏は「モーター with ギア」での成果をもとに、刈谷工場の別のラインや国内外の他工場へと拡大していく役目を担うことに。

「刈谷工場でデータを収集してDB化を進めつつ、ほかのラインや工場にも導入し、活用方法を教えたいと思います。タイの工場ではすでに動き始めていて来週また指導に行く予定です。最近の生産現場は女性の割合が増えていますが、従来の“カン”や“コツ”といった感覚的なものに依存するよりも、OTRSのようにデータで見せるやる方の方がフィットすると思います。作業者のスキルアップ(多能工化)につながるといいですね」
– 佐藤氏

ユーザーの声

toyota boshoku time study case study

作業映像を第三者視点でチェックすることで、新たな“気づき”が得られました。

「よいことはすぐに実行する」をモットーに、日々改善に取り組んでおり、OTRSの映像による作業データ解析にも興味を持ちました。撮影した映像を作業員に見せたところ、「改善すべき作業」や「参考にすべき作業」を第三者視点で認識し、それらを提案し合いながら積極的に意見交換するなどして、作業のスピードアップを実現することができました。その後、「良い作業」を“標準”として全員で共有&習得することで、作業員全員のモチベーションアップにもつながりました。撮影した映像は効果的な新人作業員教育ツールとしても活用できそうです。

伊藤 将生 氏
刈谷工場 製造部 オイルユニット部品製造室 ユニット4係 工長

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「OTRS 」は、リーン・コンサルタント シンカ・マネジメント によってサポートされている作業分析 / 業務最適化ソフトウェア製品で、20 か国に及ぶ国々で 6000社以上のお客様にご利用いただいています。

詳細情報やデモ、トライアルをご希望の方はOTRS10 作業分析 / 業務最適化ソフトウェアについてご確認ください。