OTRS 時間測定・動作解析ソフトウェア
日本通運株式会社|時間測定・動作解析ソフトウェアを活用し、倉庫内ピッキング作業の良し悪しを比較動画で見える化し生産性を改善


業種:物流

従業員数:32,280名

売上高:1,154,781百万円 ※1
※1:2019年3月末(個別)
会社名:日本通運株式会社
設立:1937 年(昭和12年)10 月 1 日
所在地:105-8322 東京都港区東新橋1丁目9番3号
事業内容:
自動車輸送、鉄道利用輸送、海上輸 送、船舶利用輸送、航空利用輸送、 倉庫、旅行、通関、重量品・プラン トの輸送・建設、特殊輸送、情報処理・ 解析などの物流事業全般、および関 連事業
導入前の課題
スタッフによっては 作業生産性に 3倍もの差が発生
導入後の効果
比較動画で動作の 違いを見える化し、 スタッフの意識を変革
導入の背景(課題)
ベテランのスキルやノウハウを 効率的かつ効果的に伝える ことができていない
国内外にある物流倉庫の作業生産性改善 の相談が寄せられるグローバルロジスティ クスソリューション部では、それぞれの課 題解決に最適なソリューションを見定め、 その導入・活用を支援しています。
同部が、 関東に倉庫を複数を抱えるロジスティクス 事業支店から生産性改善の相談を受けたの は2018年2月のことです。棚から所定の商品を取って集める“ピッ キング”の作業生産性が、ベテランと経験の 浅いスタッフとの間でかけはなれ、後者の 作業生産性向上が急務となっていました。
「1時間に300個ピッキングするベテラン スタッフに対し、経験の浅いスタッフは100 個程度に留まります。収支に直結するた め、作業生産性の底上げが急務でした」と語るのは、ロジスティクス事業支店 課長 の菊地 亮 氏です。
ベテランスタッフの作業を経験が浅く効 率の低いスタッフに見せるなどの指導も実 施していましたが、自分が同じようにでき る“実感(リアリティ)”が湧かないためか、その指導をきっかけに改善の努力をはじめ るスタッフは少なかったといいます。
「“こういう風にやればいいんだよ”と見せら れても、自分の作業と具体的に何が違うの かが明確にわからないですよね。パートさ んたちが“こうすればいいのか”と気づき、 “やってみよう”と気持ちのスイッチを入れ る仕組み・アプローチが必要でした(ロジスティクス事業支店 伊藤 浩二郎 氏)
こうしたなか、グローバルロジスティク スソリューション部から提案されたのは、 すでに他の物流倉庫で導入実績のあった 「OTRS」の活用でした。
選定ポイント
「OTRS」による動画での作業 比較に改善の可能性を見出す
日本通運株式会社は「OTRS」の旧バー ジョンからのユーザで、国内の各支店をは じめ、海外の拠点でも活用が進んでいます。 倉庫現場の改善をサポートするグローバル ロジスティクスソリューション部発足以降 も、紙の作業マニュアルに代わる動画マ ニュアルを作成するなど、積極的に活用を 推進してきました。
「最初の動画マニュアルは、国内の別の支店 からのオーダーで作成した『引っ越し時の養 生』に関するものです。繁忙期、スタッフの入 れ替わりが激しい海外の倉庫で、スタッフが いつでも確認できるよう、動画の作業マニュ アルを現場で流し続けた事例もあります。動 画マニュアルについてはすでに全社的に評 価を得ています」 と語るのは、グローバルロジスティクスソリューション部 係長の澤沼 徹 氏です。
「ロジスティクス事業支店から相談を受け た時に、簡単に要素作業ごとにタイムを出 して分析できる『OTRS』なら、ストップ ウォッチで計測してExcelで分析すると いったアナログ作業から解放され、効率化 できると考えました。また、ベテランス タッフの動画と経験が浅く改善が必要な スタッフの動画を同時に再生し、比較して 見せるのもいいのでは、と思い提案しまし た」(澤沼 氏) – 澤沼 徹 氏
導入プロセス
手が届くレベルをお手本に。比 較動画を見て自分で考えさせる
「OTRS」による作業生産性向上の取り 組みは、作業のスピードアップと標準化 の2側面から進めました。
「スピードだけを追及すると、勝手にアレ ンジして確認ステップを飛ばすようにな り、結果としてミス対応で効率が低下し かねません。この作業はこういうプロセスを踏んでやります、といった標準化も 重要です」(菊地 氏)
ベテランスタッフと改善を要するスタッ フのピッキング作業を撮影。これをもとに グローバルロジスティクスソリューション 部が「OTRS」で要素作業ごとにタイム計 測し、両者左右に並べて比較して見られ る動画を作成。これを、改善が必要なス タッフに見てもらい、何をすべきか各自 で考えてもらうようにしたという。
「比較動画作成にあたっては、見たスタッ フが“こんなの絶対ムリ!”とあきらめて しまわないよう、お手本とする標準作業 を平均より少し早いくらいに設定しまし た」(伊藤 氏)
導入効果
気持ちのスイッチを入れる教材 として現場に受け入れられる
ピッキング作業は、歩く~取る~詰め る~閉じるの繰り返しですが、要素作業ごとに分割して客観的に違いを見ること ができました。
「同じ作業なのにベテランスタッフと自 分とでは、歩くスピードが違う!手の動 きも違う!と細かいところに気づきを与 え、もう少し生産性を上げたい……と意 識を変えるスイッチを押すことにつなが りました(菊池 氏)
動画を見せる際にも、一方的にやり方を 押し付けるのではなく、「どこを」「どう改 善するか」自分で考えさせることを徹底。
「当然ですがすべてを一気に変えるのは 無理です。じゃあ、まずはココの部分から 変えてみては?と比較動画を見ながらア ドバイスを行い、スタッフ一人ひとりに アプローチできたのが良かったと思いま す。(伊藤 氏)
活用をはじめて半年、比較動画は改善 を要するスタッフや新人スタッフの教育 ツールとして浸透しており、ピッキング 作業全体の生産性向上に貢献している。
今後に向けて
今後はピッキング作業以外にも 活用展開
ピッキング作業ではじまったロジス ティクス事業支店における「OTRS」活用 の取り組み。今後は商品の検査やラベル 貼りなど別の作業での活用にも取り組ん でいく計画だ。
ユーザーの声
動画マニュアルや比較動画以外の新たなアウトプットを模索
「OTRS」については、まだ使っていない機能がたくさんあります。動画マニュアルや今回の比較動画以外に、現場の改善に役立つアウ トプットができるよう引き続き勉強していきたいと思います。また、グローバルロジスティクスソリューション部では、「OTRS」以外 にも様々な分析ソフトの導入を進めており、作業シミュレーションソフトなどとの組み合わせも考えていきたいですね。(澤沼 氏)
澤沼 徹 氏
国際事業本部 グローバルロジスティクスソリューション部 係長
菊地 亮 氏
ロジスティクス事業支店 課長
伊藤 浩二朗 氏
ロジスティクス事業支店 主任
シンカ・マネジメントは、世界 20 カ国で6,000 ライセンス以上の導入実績がある時間測定・動作解析ソフトウェアOTRSの販売とサポートをグローバルに提供しています。
製品詳細やデモ、トライアルをご希望の方は、作業分析ソフトウェア「OTRS10」ページをご覧ください。