OTRS 作業測定ソフト導入事例

株式会社クボタ様|要素作業の分析が2倍にスピードアップ!ベテランのカン・コツ伝承にも効果的

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業種:製造業

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従業員数:同社ホームページご参照

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売上高:同社ホームページご参照

企業Profile:株式会社クボタ

ホームページのURLwww.kubota.co.jp

宇都宮工場で生産されている主な製品:田植機、コンバイン

Rice Transplanter
Combine Harvester

導入前の課題

5分間の作業分析に4時間を要し、改善までに時間がかかる

導入後の効果

「OTRS」活用で分析がスピードアップ&タイムリーに改善

導入の背景(課題)

生産現場の強化に向け、分析スピードの改善が急務に

トラクタや田植え機、コンバインなどの農業業機械を生産する宇都宮工場は、中国・タイに開設した工場のマザー工場としての役割も担っています。

「旺盛な需要でこれまで売上が右肩上がりだった中国市場ですが、そろそろ需要が頭打ちになるなか、現地メーカーの競争力も高まってきており、高い品質をいかにリーズナブルに提供できるかが重要になっています」旺盛な需要に支えられて順調に伸びてきた。しかし、現在は需要のピークを迎えている。現地メーカーも競争力をつけてきており、高品質な製品をより安く作ることが重要になってきています」(伊藤氏)

と語るのは、宇都宮工場 製造第二課の伊藤千宏氏です。そのためには、作業を要素ごとに分析した上で、”ムダ”を取り除くアプローチが不可欠ですが、現場作業を見ながらストップウォッチで測定しPCにデータ入力して分析する従来のアナログな方法では、わずか5分間の作業を分析するのに4時間近くもかかり、タイムリーな改善は困難でした。このため同工場では、ベンチマークとする自動車産業に習い、ITによる情報活用推進で生産現場の強化に取り組むことに。

「ひとつの生産ラインを様々な製品が流れるミックスラインでは、春先は田植え機、秋口はコンバインとメインの製品が年間を通じて変わります。それにあわせ工程や作業員配置も変更するなか、その時の課題を遅滞なく改善し成果を得るためには、分析作業のスピードアップが必要でした」(伊藤氏)

選定ポイント

操作性と汎用性の高さを評価しトライアル利用を開始

2013年から2014年にかけて、IT導入による情報活用推進のプロジェクトを立ち上げた宇都宮工場。要素作業分析の効率化に資するITソリューションをリサーチ&テストするなか、あるIT展示会で作業分析・業務最適化ソフトウェア「OTRS」と出逢います。会場で類似する複数製品に触れてみて比較した結果、最も使い勝手に優れていたのが「OTRS」でした。

「生産ラインの作業員はあまりPC操作に慣れていませんが、一連の分析・改善作業を各職場で完結することを目指していたので、だれもが直感的に使える操作性は重要なポイントでした。」(伊藤氏)

操作の容易さだけでなく、要素作業分析のほか標準書作成やベテランによる作業の“カン・コツ”を記録した動画マニュアルの作成機能など、多用途に利用できる汎用性も評価。ライセンスキーを1つ導入しトライアル利用することにしました。

kubota interview work measurement software

導入プロセス

4つのライセンスキーをすべての職場 / すべてのラインで活用

まずは、脱穀組立1 ラインをモデルラインとしてトライアルをスタート。成果を工場全体で共有しつつ、ほかの職場にもトライアルを拡大したところ、非常に好評ですぐに使い始めたいという要望が数多く寄せられました。そこで、ライセンスキーを4つに増やして工場全体で本格導入することに。現在、工場全体でフル活用しています。

「導入に先立ち全職場の責任者を集めて説明会を実施しました。その後全職場で活用が始まると問い合わせ対応に追われ大変でしたが、それも数か月で落ち着きました。特にPCネイティブな若い世代は習得も早く、自分たちが率先して現場を改善していく風土づくりにも役立ちました。」 (伊藤氏)

導入効果

分析時間が半分に。カン・コツ伝承にも効果を発揮

モデルラインでの効果検証では、従来5分間の作業を分析するのに4 時間もかかっていたのが、半分の2時間でできるようになりました。

作業測定ソフトウェアツールこのラインでは2017年度の一年間で、計70分間の作業動画分析に「OTRS」が用いられたので、年間28時間短縮できた計算です。分析作業のスピードアップは迅速な改善につながり、年間を通して刻々と変化していくラインにおいて、その時の課題を来年度に持ち越すことなく、本年度のうちに改善して生産性向上につなげることが可能になりました。

また、同工場が直面するもうひとつの課題“ベテラン作業員の退職による技術継承”についても、これまで紙に書いた“カン・コツ”をデータ化したり動画で記録したりしていましたが、「OTRS」で作業動画を要素作業ごとに分けて解説を入れることで後々の活用がしやすく(見やすく)なり、カン・コツの伝承や技能向上を進めるうえで非常に効果的だといいます。

「年間1 ~ 2台しか生産しない完全オーダー品の場合、経験者が限られる上にラインに乗る機会が少ないため、生産機を前にしての技術継承が非常に困難でした。『OTRS』で要素作業ごとに詳しい説明入りの動画マニュアルを作成しておけば、必要な工程のみリピート再生して習得することができ、非常に効果的です。」 (伊藤氏)

今後に向けて

システム連携でさらなる情報活用を目指す

同工場では、今後さらに品質・生産性を高めていくために、ライン全体・工場全体の視点で最適化をはかる必要があると考えており、工場内のほかのシステムとの連携により、情報を一元的に扱える仕組みづくりを進める計画です。「OTRS」の導入・活用も、枚方製造所(大阪)など他工場にも拡がり、今後さらに海外拠点を含めた展開も視野に入れています。

「今後は中国市場でもより高い品質を求める動きが強まるはずで、その時に私たちの製品が優位性を発揮していることが重要です。中国語にも対応する『OTRS』は、その時に向けた現地工場のレベルアップに有効だと思います。」(伊藤氏)

ユーザーの声

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製品にも製品づくりにも情報活用が欠かせない時代へ

クボタでは他社に先駆けGPS直進アシスト機能を搭載した田植え機を量産化しています。また、農業におけるビッグデータ活用ソリューションである「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」も提供を開始しています。これからの農業には、こうした新しいテクノロジによる情報活用が欠かせません。製品・サービスにおいても、製品づくりにおいても、情報活用を加速して競争力を強化していきたいと思います。

伊藤 千宏 氏
宇都宮工場 製造第二課

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シンカ・マネジメントは、世界 20 カ国で6,000 ライセンス以上の導入実績がある時間測定・動作解析ソフトウェアOTRSの販売とサポートをグローバルに提供しています。

製品詳細やデモ、トライアルをご希望の方は、作業分析ソフトウェア「OTRS10」ページをご覧ください。