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ヘルスケア・インタビュー ‐ バージニア・メイソン病院の軌跡を辿って

米国ワシントン州のシアトルにあるバージニア・メイソン病院は、日本の製造業現場から優れた管理手法を学ぶため、2002年に経営幹部からなる視察団を日本に派遣して以来、保健医療分野におけるリーン実践導入のトップリーダーとしての地位を確立してきた。

バージニア・メイソン生産方式の開発と導入の軌跡は、トヨタ生産方式(TPS)の原理原則を自動車製造業以外の分野に応用したいと考えるすべてのリーダーに対し、傑出した事例を提供するものである。バージニア・メイソン病院が歩んできた道のりは、これまでにも、保健医療分野におけるリーン経営を論じたチャールズ・ケンネイ氏による名著 『Transforming Health Care』 等をはじめとする複数の書籍で紹介されている。

日本の医療現場では、1970年代頃からQC (品質管理サークル)活動や改善活動が実施され始め、TQM(Total Quality Management)の導入や、改善文化の構築がなされてきた長い歴史があるが(立石、1994)、バージニア・メイソン病院がTPSに学び、全組織的な管理システムの導入によって、患者のケアに対する全面的なアプローチに変革をもたらしたという成功事例は注目に値する。

現在、組織変革を進める上で、医療の現場ほど複雑な環境や労働力の場はないが、バージニア・メイソン病院が、改革の道程を通じて素晴らしい成功を収めたことは誰もが認めるところだ。同病院は1998年、1999年に財務損失を計上し危機的状況に陥ったが、バージニア・メイソン生産方式の実施を通じて、それ以降、毎年利益を上げている。組織全体の効率が大幅に上がった他、安全、品質、患者の満足度といった項目においても目を見張る改善が達成され、バージニア・メイソン病院は、品質等で高評価を得ている病院に贈られるリープフロッグ・トップ病院アワード(Leapfrog Top Hospital Award)を、本賞が創設されて以来、毎年受賞している。

バージニア・メイソン病院がこれまでに培ってきた功績は、過去数十年にわたり米国やヨーロッパ、日本の間で交わされてきた様々なアイデアと共に、リーンの発展に新たな一章を加えるものである。W・エドワーズ・デミングが戦後の日本の製造品質に影響を与えたのを皮切りに、大野泰一のリーダーシップの下、トヨタ生産方式が確立され、それに続く西欧諸国へのTPSの輸出を経て、現在では、日本の保健医療業界が、バージニア・メイソン病院をはじめとする海外の組織における取り組みに目を向けるという状況が生まれている。

以下は、九州で開催されたリーン・ヘルスケア・カンファレンスの場でお会いしたバージニア・メイソン病院のゲイリー・カプラン院長兼最高経営責任者とヘンリー・オテロ改革・エグゼクティブ先生(Transformation and Executive Sensei)によるインタビューを編集したものであり、お二人にはバージニア・メイソン病院および日本の保健医療業界から学ばれたことについてお話を伺った。

バージニア・メイソン病院における医療改革の軌跡について教えて頂く中で、カプラン氏とオテロ氏から得ることができた洞察的な視点は、実効的な組織改革や文化変革を進めようとするすべての人々にとって有益となるものである。

ポール・スミス PhD
シンカ・マネジメント 取締役

Dr Henry Otero and Dr Gary Kaplan of Virginia Mason Medical Center

ヘンリー・オテロ氏(左)とギャリー・カプラン氏、日本にて

ギャリー・カプラン氏は、現役の内科医であり、2000年よりバージニア・メイソン病院会長兼最高経営責任者(CEO)を務めている。カプラン氏は、トヨタ生産方式の導入を主導し、同病院における医療の質と経営の改善 を進めてきた功績が認められ、全米医療品質フォーラムおよび米国合同委員会(the National Quality Forum and the Joint Commission)によるジョン・M・アイゼンバーグ・患者の安全と品質アワード(the John M. Eisenberg Patient Safety and Quality Award)等の数々の賞を受賞している。

腫瘍内科医であり、バージニア・メイソン・インスティテュート改革・エグゼクティブ先生でもあるヘンリー・オテロ氏は、バージニア・メイソンにおける医師および経営幹部による取り組みと院内フローの改善に照準を合わせた数多くのプロセス改善イベントを実施してきた実績を持つ。

ポール・スミス: バージニア・メイソン生産方式とはどのようなものですか?またこの目的について教えてください。

ヘンリー・オテロ氏: バージニア・メイソン生産方式は、私たちが従事しているすべての活動を管理するためのマネジメント・システムであり、組織の目的と日常の業務とをひとつに結びつけるものです。

このシステムはまた、世界トップレベルの経営管理を実現するため、我々が目指す組織の姿や、目標に掲げるゴール、またそれらのゴールが組織全体の業務と直結するものであるのか、といったことを理解する上で指針となる強固な組織システムでもあります。

組織をリーンにしていくためにはツールと方法論だけであればよいと考えるのは間違いです。また、リーダーは率先躬行する必要もなければ、方法論を深く理解する必要もないと考えるのも誤った考え方です。リーダーは、組織の先頭に立って模範を示すことができるよう、方法論を最も深く理解し、活用することができなければなりません。

また、ツールとアイデアを出すことによって特定の問題を解決することだけを目的としたプロジェクト改善型のリーンと、マネジメント・システムと日々の業務を直結させ、組織が掲げる目標を達成するためのリーンとの間にも大きな違いがあります。

スミス: バージニア・メイソンが、日本式経営の方法論を手本として掲げたのはなぜですか?

ギャリー・カプラン氏: 我々は、手本としている方法論が日本式のものであると考えているわけではありません。ただ、日本でスタートし完成されたシステムであると考えています。この管理手法はデミングらが提唱したシステムにさかのぼることができるものです。日本に学びに行くのはなぜかと、多くの人々から聞かれますが、これは最良の外科的テクニックを学ぶためには、最良の外科的テクニック実践の場に行く必要があるのと同じことです。私たちは、経営管理を学ぶ最良の場が日本だと考えているのです。

ただ、この際に大きな謎としてとらえられるのが、なぜ医療現場のプロフェッショナルが製造業に答えを求めたのかということではないでしょうか。なぜなら、この考え方には大きな飛躍があるからです。歴史的に、保健医療業界では常に、必要とする答えは自分達自身が持っており、自らの業界の中に存在していると考えてきたからです。しかし、我々が経営管理手法について答えを求めていた時、米国の医療業界で答えを持っていた人は一人もいなかったのです。

スミス: けれども、製造業に目を向けるとその答えがあったということですね・・・。

カプラン氏: ボーイング社を視察したのです。我々はボーイング社の取り組みについて話を聞く機会があり、ジョン・ブラック氏の元同僚に会いました。ブラック氏はボーイング社でTPSの実践を主導してきた人物ですから、彼らから学びたいと考えボーイング社を訪れた訳です。我々が日本を訪問する以前のことですが、ワイアーモールドという企業にも行き、そこで、アート・バーン氏にも会いました。2001年の12月に、幹部チームの全員がワイアーモールドに視察に行ったのです。その時の体験は、素晴らしいものでした。ヘンリーや私とは違い、幹部チームメンバーの大半は、それまでに一度も工場現場に足を踏み入れたことが無かったのですから。このようにして、私たちは医療業界の外に経営管理に対する答えが見つかるのではないだろうか、と考えるようになっていったのです。これは、我々にとって非常に大きな出発点となりました。

スミス: 幹部チームによる日本への研修視察を決めたのはいつですか。また、視察にはどのような目的があったのですか?

カプラン氏: ボーイング社の人々が、もし本当にやる気があるなら、原点に行き、その状況に深く浸ってくる必要があると教えてくれたのです。そして、日本から米国に戻ってきた時にはすべてが変わっていました。私たちは全く違う考え方をするようになっていたのです。だからこそ、私たちはほぼ毎年のように、日本への視察訪問を実施しています。

スミス: 違いとおっしゃいましたが、具体的にはどのような違いですか?知識でしょうか、態度でしょうか、それとも信念、達成可能なものに対する考え方における違いということでしょうか?

オテロ氏: その質問には多くの答えがあります。私たちは日本に行くことで、異文化の中で学び、それまで見たことが無いものを体験し、トヨタの歴史や生産方式を学び、日立の生産ラインで実習を受けます。そして、毎晩、その日見たものや感じたことについて報告し合い、それらが我々の組織がこれまで行ってきたことにどのような意味をもたらし、保健医療にどう関係するのかについて、長時間に及ぶ議論をするのです。このような議論が真の効果を発揮し始めるのは、皆が、自分たちが本当に求めていることについて本音で語り合い始める時ですが、まさにこのような経験を通じて、異なる方法もありうるのだということに気が付き始めたのです。我々が行っていることを違う方法で達成することも可能であり、現状のままやっていく必要はないのだ、違う方法を模索しても良いのだと。そして、我々は(視察を通じて)自分たちが望む方法を目のあたりにしたわけです。これほど私たちのやる気をかき立てたものはありませんでした。中にはこの経験を通じてスイッチがオンに切り替わり、燃えるような意欲に掻き立てられるようになった者いました。この時の日本への訪問は、私の人生において最も重要な旅となりました。この時の経験を通じて、私の保健医療に対する考え方、また自分自身のモチベーションが根本的に変化したのです。

カプラン氏: 日本研修視察の最も素晴らしい点というのは、自分達の安心領域から抜け出す経験ができるということです。私たちは、居心地の良い領域にいると、情報を処理することをしなくなります。そうして、いつも、自分たちが本当だと思っていること、礎にあると信じていることに頼り切ってしまうのです。しかし、日本に滞在している間、我々は安心領域の外にいます。組織内のヒエラルキーも取っ払われてしまいます。研修実習中、組立ラインの前に立ちながら、外科医が看護師や医療アシスタントに、今何が起こっているのか教えてくれなどと尋ねたりするのですから、保健医療の世界に存在するヒエラルキーが平らなものになるのです。

ヘンリーが先ほど言ったように、日本研修視察の多くの部分は、自分たちの国から遠く離れた所で、お互いが深い議論を重ねるということに費やされます。このセッションは、私が先導していくわけですが、皆が本質的な話をすることができるように構成されているので、ここでは、通常であれば話題に出さないような自らの弱さや、職場であまり上手く機能していない点などについても、自発的な発言が多くなされます。日本視察での経験は大変にパワフルなものですが、だからこそ我々は、引き続き日本への訪問を続けているのです。

スミス: それでは、過去の研修視察やこれまでに達成してきたものを、現在、振り返ってみられて、成果として一番強く感じておられるのはどのようなものですか?

オテロ氏: 我々の組織全体を見て思うのは、患者を中心とする医療現場になったこと、また問題に対するアプローチの仕方に対する変化や、何が患者の皆さんにとって有益なのかということを考えるようになったことです。バージニア・メイソン病院について皆さんが見たり聞いたりされていることというのは、我々が、患者にとって何が最善であるかということを考え、これを基にどのような考え方を採用し、どの方向に向うのかを決定しているということにほかなりません。そしてこれは組織の文化に関わるものですが、私は、他の保健医療組織でこのような状況を目にしたり聞いたりすることはありません。

医療機関の多くの人々が、我々は患者を中心に据えていると言いますが、そう言っている人々がリーダー的立場の人々でなければ意味がありません。彼らは患者のために、自らの利益を諦めることができるでしょうか。もし、そのような状況に実際に出くわすことができるならば、そこは素晴らしい医療現場だということになりますが、実際にこういったことは稀なケースです。

カプラン氏: 私もそう思います。組織文化を変えるというのは非常に難しいことですが、最も重要なことでもあります。経営管理システムやツールの存在、フローを生み出したり、希望を与えたりするということも大変重要ですが、要となるのはやはり、組織文化の変革、またそれを実現していく意欲にほかなりません。我々は、非常に深いところに根差した保健医療組織文化の前提をなす部分に疑問を投げかけているのです。傍からみると、これは難しいことではなく、当たり前のことのように思われるかもしれません。しかし、医療現場の文化に変革をもたらすというのは、考えてみれば、核心に迫るようなことなのです。患者が第一であり、頂点にいるのであれば、医者は底辺にいるということなのかと疑問を呈する人々もいるわけです。このような同様の議論が多くなされ、そこに踏み込むことができずに組織を離れた人々もいます。

Virginia Mason Production System - Lean Health Care

スミス: それは、医者中心のモデルから患者中心のモデルにシフトしたからということですか?

カプラン氏: そうです。

オテロ氏: その通りです。我々の組織は、その他多くの医療組織がそうであるように、以前は、医者を中心としてプロセスが設計されていたのです。

カプラン氏: そして、またそのような状況に対し、誇りを持っていました。

オテロ氏: そうです。我々は、それに基づいて人々を採用していました。ですから、このようなモデルから、患者を中心としたモデルへとシフトしていくことは簡単なことではありませんでした。「患者中心」というレトリックそのものは簡単です。「患者中心」という意味は分かります。ただ、患者の経験そのものを本質的にとらえ、「我々の組織は本当に患者を中心に据えているだろうか、患者を最優先にするということはどういうことを意味しているのだろうか」とお互いに問い始めると、これがいかに難しいことかということが分かってきます。この点が本当に難しいところでした。

カプラン氏: そして我々はその部分について未だに学び続けている状況です。患者中心ということが意味することを、我々は本当に理解しているのだろうかと。かつて、自分たちも患者という立場におかれたことがある経験から、私たちはそれを理解していると思っていましたが、実際にはそうではなかったのです。だから、患者の皆さんが何を求めているかを知るためにアンケートを実施し、皆さんから寄せられた声に耳を傾けました。医療の現場をデザインしていく上で、彼ら、彼女らに対等なパートナーとして関与してもらうまで、患者の皆さんが望んでいることは分からなかったのです。

では、我々はどのようにして患者中心ということを実現していったのかということですが、我々の組織の改善チームのメンバーには患者さん達もおり、協力しながら設計を進めていきます。例えば、保健医療の新たなプロセスの構築を担当するチームは6名の医療プロフェッショナルと6名の患者さんで構成されています。

スミス: 先ほど、組織文化を変革できたことを誇りに思うとおっしゃっていましたが、そのような組織内文化の変革を推し進めていく上で、人々に求めているものは何ですか?またバージニア・メイソン生産方式で、リーダーに求められている資質とはどのようなものでしょうか?

オテロ氏: バージニア・メイソン生産方式がリーダーに求める資質の中で最もチャレンジングなものは、恐らく、偉大な問題解決者(problem solver)から偉大な問題構築者(problem framer)になれということだと思います。指導的立場にいる者は、往々にして問題解決能力に優れており、だからこそ、そのような立場についている場合が多いと思うのですが、リーダーというのは、周りの人々のために自らが問題を解決するのではなく、彼ら、彼女らのコーチとして、メンターとして、周囲の人々が自分たちで問題を解決することができるように勇気付け、導いていく資質を備えていなければなりません。問題を解決するのはあくまでも彼ら、彼女らであり、リーダーは問題を構築するという立場です。そのために必要なリソースを提供し、的確な質問を投げかけるということができなければいけません。ですから、優れたリーダーは、偉大な解決者ではなく、偉大な質問者でもあるのです。このようなリーダーへと成長を遂げるのは非常に難しいことです。しかし、リーダーに求められる資質というのは、問題解決者から問題構築者に変容を遂げる力なのだと申し上げたいと思います。

スミス: ということは、リーダーは周りの人々が提案した解決策がたとえ一番の解決策でないと分かっていても、あえて黙っていないといけないということでしょうか。

オテロ氏: 例えば、改善イベントなどの場で、リーダーであるあなた自身はもちろん、あなたのチームのメンバー全員が正しい解決策を分かっているとしましょう。しかし、別のチームでは、どのような解決策を講じたらよいか分からず悪戦苦闘している、もしくは解決策は出したけれども自分たちのチームほど良い解決策に至っていないなどという状況に出くわしてしまったような場合、あなたは、正しい解決策を教えたいという衝動に駆られるかもしれません。しかし、ここで大切なのは、アイデアそのものではなく、自分たちが導こうとしている改善のプロセスです。リーダーにとってこのような場で黙っているのは難しいことです。しかし、あなたの役割は正しい答えを与えることではなく、皆がプロセス改善に取り組む中で、多くの解決策を出し続け、一定の時間をかけて、自分たちにとって上手く機能する策にたどり着くことなのです。

また、さらに重要なことは、彼ら、彼女らたちにPDSAサイクル(Plan-Do-Study-Act)等を通じてプロセスを確かめさせる必要があるということです。こうすると、ほぼ間違いなく、自分たちが当初考えていたものより、もっと良い答えが得られるわけですが、このような経験は自分たちを謙虚な気持ちにさせてくれるものです。そして、最終的には、そのプロセスを手放す必要があります。すると、自分が考えたものよりもさらに素晴らしい答えを、人々が見つけ出してくれるのです。

スミス: それは非常に重要なポイントですね。人々は、改善のプロセスが、問題に対する解決策を即座に導き出すためだけのものではないのだということを忘れがちです。改善のプロセスというのは、むしろ、長い時間をかけて自分たちに問題解決能力を養っていくプロセスということができると思います。

カプラン氏: そうですね。チームのメンバーに、日々の暮らしや業務の中で問題解決をしていく能力を構築していくこということに他なりません。しかし、伝統的な保健医療の現場にいるリーダー達全員が、そのようにできるかというと、そうではありません。ヒエラルキーに基づく意思決定に慣れているため、問題があるとリーダーたちがすぐにやってきて、それを解決してしまうというわけです。リーダーはまた、質問をする際には、できるだけ不明瞭さを残しながら、謙虚な姿勢で、質問しなければなりません。自分達は解決策を持っておらず、どのような策があるのかを本当に知りたいのだ、という姿勢でなければなりません。リーダーのこのような姿勢がヒエラルキーを平らにする機会を提供してくれるわけですが、私たちはこのような機会を十分活用できていないと思います。

スミス: では、これまでの道のりで犯した最大の間違いにはどのようなものがありますか?

オテロ氏: もう少し早く行動を起こすべきだったかもしれないと思っているのが、日常の業務管理に関わる部分です。変化を維持し、職員の取り組みを促すために必要な側面と日常業務管理側面とは密接にリンクしています。ですから、もう少し早い時期に行動を開始しても良かったかもしれません。しかし、そうすると、現場の人々の間でそれを受け入れる準備や十分な理解が得られていなかったかもしれません。

スミス: では、その代わりに、何をされていたのですか?

オテロ氏: グループのレベルでというよりは、リーダーが率先する、よりトップダウン型のアプローチを採っていました。また、どのようにして毎日、チームの関与を促しながら業務を見える化していったのかということですが、我々の日常業務管理体制は、生産管理のように、業務そのものを目に見えるようにすることを重視したものでした。

カプラン氏: 初期には、トレーニングの方に、より注力していたように記憶していますが、より早い段階で日常業務の管理側面に移るべきでした。現在でもそうですが、より厳格な30-60-90日後のフォローアップが必要で、より深く掘り下げていく必要があると思っています。

我々は、また、スコーピングについても多くのことを学びました。初期の頃は、スコーピングの範囲が大きすぎたり、小さすぎたりしたものですが、だんだん適度な範囲が分かるようになってきました。また、私が多くの人から非難されたのが、皆に対して寛容になりすぎて、物事が早く進まなかったという点です。私としては、すべての人々を巻き込みながら取り組みを進めていきたかったのですが、全員がついてくることができたかというと、そうではありませんでした。

スミス: これからリーン経営管理に取り組もうと考えている医療機関に対しては、どのようなアドバイスをなさいますか?何から手を付けたらよいのでしょうか?

カプラン氏: まずは、経営幹部です。

オテロ氏: そうです。上層部から取り組みを始める必要があります。そして、リーン経営を学ぶ方法ならいくらでもあります。その一つが 『Transforming Health Care』 を読んでみるという方法です。この本を読み進めることで、どのような潜在的効果を得ることができるかということを理解できると思います。また、リーンやリーン・ヘルスケアを実践している組織の現場を実際に訪れてみるのも、非常に有効な方法です。こうすることで、自分たちがリーンを実践する上でのお手本に触れることができ、理解を深めることができるばかりでなく、そのために必要な組織文化やモチベーションがあるか、またリーダーシップ層に、リーンに取り組む強い意志が備わっているかを確かめることができるからです。

どのようなことに足を踏み入れようとしているのかも分からずに、リーンを導入しはじめて、リーンは機能しないと嘆くほど最悪なことはありません。まずはリーンを導入して成功を収めているいくつかの組織についてきちんと下調べをする必要があるでしょう。保健医療の現場でリーンを目指すならなおさらです。いくつかの成功例を持つ組織の現場を訪れ、リーダー層がどのように振舞っているか、リーンが組織全体を通じてどう根付いているのか、現場の最前線でどのように機能しているのかといったことを学ぶ必要があります。

その上で、幹部層同士が、自分達はこのような取り組みを進めることができるのか、モチベーションはあるのか、興味や協力は得られているのか、といった点について忌憚のない議論を進めていく必要があります。これは簡単なことではありません。しかし、ここから非常に多くを得ることができるのです。おそらく、自分達が進めていく取り組みの中で、最もやりがいのあるものになるでしょう。そのためには、組織の中で支配的な数多くの文化規範からくる逆風を受けて進んでいかなければなりません。

このようなところから始められるのが良いのではないでしょうか。そして、もし興味があれば、トレーニングを実施している組織について調べたり、経営幹部チームを導き、リーン経営やリーン手法についての研修を実施する際に協力の手を差し伸べたりしてくれる先生を見つけてくることです。

スミス: リーンの導入に対して、公的部門では民間部門に比べ、より抵抗する力が強く、課題も多いと思われますか?

オテロ氏: 両部門ともに良い点と悪い点があり、そのような傾向は両者に当てはまると思います。我々は、数多くの公的機関の取り組みを支援していますが、その中には、国営保健医療制度機関の中で最も成功を収めたクライアント機関もあります。公的機関には、民間とは異なるリソースや制約がありますが、我々は、リーダーシップ層がやる気に満ちてコミットしていれば、素晴らしい成功を収めることができるという例を見てきました。ですから、トップや行政に改革を推し進める気持ちがあれば、民間か公的機関かということは、全く問題になりません。

Virginia Mason Institute

スミス: リーダーシップの面からオテロ氏に伺いたいと思いますが、成功に向って邁進し、成功を手にすることができる組織や文化のリーダーとして、カプラン院長のような人々にはどのような資質が備わっているとお考えですか?

オテロ氏: 彼らはビジョナリー・リーダーです。ビジョンをもって我々を導き、自分たちが行っていることに情熱を持っています。経済学等を必要なツールとして使いますが、そうすることが使命であるとは考えてはいません。組織の使命、すなわち自分たちが価値を置いていることに注力し、いつでも我々をそこに立ち戻らせ、それを改善活動やマネジメントの手法に結び付けることを可能にする資質を備えています。

リーダーは、いくつかの異なる視点を結びつけ、組織全体のビジョンを創りだせるだけでなく、それを組織共通のビジョンにする方法を知っています。またカプラン院長のような大変に優れたリーダーは適応するという、真のリーダーシップスキルを有していますが、これは「適応リーダーシップ(adaptive leadership)」と呼ばれるものです。これはバーバード・ビジネス・レビューの中で、ロナルド・ハイフェッツ(Ronald Heifetz)教授が理論化しているもので、リーダーは人々に問題の解決を促し、場合によっては問題を遮断するのではなく、問題に直面させ、リーダーが解決策を導き出すのではなく、人々自らが解決に至ることができるよう、あえて奮闘させるというものです。カプラン院長をはじめとするリーダーは、人々を関与させることを可能にする優れた適応リーダーシップのスキルを持ち合わせており、時には自らを弱い立場にさらすことも可能であり、意思決定の際には様々な分野の声に耳を傾けることができるのです。

スミス: それでは、最後にバージニア・メイソン生産方式およびバージニア・メイソン病院の次なる目標について教えてください。

オテロ氏: 我々はまだ旅の途中にいます。まだまだ、旅を始めたばかりの赤ん坊のような存在であり、幼な児です。ですから、我々の取り組みは、我々が生涯を終えた後もずっと続いていくものであり、今日のリーダー達を超えていくものという風にとらえています。私たちは、未だに存在する数多くの様々なサイロ化した部門をより良い形で統合していけるよう引き続き取り組んでいくと共に、我々の患者の皆さんのより良いケアに向けて注力していきます。我々の活動には最終ゴールは存在しません。これは今後もずっと続いていく旅であり、保健医療の場にはまだまだ長い道のりが待ち受けています。我々が、これまでに歩んできた道程を振り返ると、謙虚な気持ちになりますが、私たちが最も情熱を傾けている、患者さんたちの経験を素晴らしいものにするためにこれからやり遂げなければいけない多くの仕事を前にして、改めて慎ましい気持ちになっています。

スミス: 本日は本当にどうもありがとうございました。

Virginia Mason Interview

ポール・スミス、バージニア・メイソン病院のヘンリー・オテロ医師とギャリー・カプラン院長と一緒に

シンカ・マネジメントは、世界40か国以上にクライアントを擁する、リーン・トレーニングの提供やコンサルティングを実施する在豪の経営コンサルティング企業。

取締役を務めるポール・スミスは、京都大学工学研究科博士課程前期および後期を修了し、トヨタグループの完成車両メーカーで要職を務めた卓越したリーン指導者より、リーン経営について直接薫陶を授かった。シンカ・マネジメントが実施するリーン・トレーニングで実践指導に当たる他、日本モノづくり研修でも定期的に研修リーダーを務める。

参考文献

Transforming Health Care
Virginia Mason Medical Center
Charles Kenney 著、 2011年

Transforming Health Care - Charles Kenney

病院におけるTQM活動
立石春雄 著、1994年

Hospital TQM

本ウェブサイト上に掲載されているバージニア・メイソン病院および職員の写真は、バージニア・メイソン病院およびバージニア・メイソン・インスティテュートからの使用許可を得て掲載しています。

また、日本語のインタビュー記事は、ポール・スミスがインタビューを実施し、内容をまとめたものを、デニス英理が翻訳したものです。

 

「リーン生産方式で業績の上がる組織づくりを」 オーストラリア産業界

2014年8月26日 | オーストラリアン | リック・ウォレス

English version | 原版

日本の製造業大手が採用している生産管理手法が、インターネットコンテンツ制作会社のREAグループやメルボルンの鉄道網を運営するメトロ・トレインズなど、数多くのオーストラリア企業経営者の間で注目を集めている。

Lean Management Article

ここで言う日本の管理手法とは、厳格さや一貫性で知られる日本の産業界、ひいては社会全体のお手本とでもいうべき「リーン生産方式」と呼ばれる手法のことである。

リーンの哲学は、欧米諸国においては、時代の流行り廃りに左右され、派生的に生み出されたリーン・シックスシグマ方式なども一時的な流行手法として捉えられてきた感が強かった。

しかし、オーストラリアの経営コンサルタント会社シンカ・マネジメント(Shinka Management)とオーストラリア産業連盟(Australian Industry Group)が共催する日本視察ツアー「日本ものづくり研修ツアー」への参加を通じて、これまで苦戦を強いられてきたオーストラリアの製造業をはじめとした数多くの企業が、リーン生産方式を学び、その手法を取り入れ経営の改善を実現しつつある。

リーン生産方式を推進する同視察ツアーの主催者シンカ・マネジメント取締役のポール・スミス氏は、同生産方式を採用するオーストラリア企業の数は年々増加していると指摘する。

「日本視察ツアーを開催するようになって最初の5年は年間10名程度だった平均参加者数が、今年度は三度におよぶ研修を通じて総勢37名に達し、日本視察ツアーの人気は、過去2年の間に特に高まってきている」とスミス氏は述べている。

醸造・乳製品大手のライオンやアデレードの老舗ビールメーカーのクーパーズ、またニュージーランドの建設大手カルダー・スチュアートの役員や幹部社員も、同視察ツアーへの参加を通じて、トヨタやリンナイ、キリンビール、セキスイハイムなど日本の代表的な製造業企業のものづくりの現場を訪れている。

「製造や食品加工だけでなく、政府機関や金融サービス業界などからの参加者も、視察ツアーから多くを学ぶことができる」とスミス氏はいう。

「リーン」は、トヨタを主とする日本企業が生み出した手法を基にした一連の産業・管理手法および哲学を表す包括的な用語であり、産業プロセスの徹底した効率化と従業員の積極的な関与を通じた生産改善活動を目的とする。

リーン生産方式のコンセプトを示す「カンバン」や「改善」、「5S」、「ジャスト・イン・タイム生産システム」といった用語は、見える化無駄の徹底排除品質管理における標準化の導入、効率化、細部への心配りなど世界的によく知られる日本の管理手法を示している。

リーンのコンセプトの一部には「5S」など、職場における整理・整頓・清掃等の徹底といったような当たり前で一見些細に思われるような概念もあるが、ここに熱意とコミットメントが加わることで、日本を特徴付ける「ものづくり」が誕生する。

一部では、オーストラリアにおけるこうしたコンセプトに対する理解不足が、トヨタ自動車の豪州現地生産からの撤退表明につながったという声もささやかれる。

リーン生産方式のコンセプトはオーストラリアの「何とかなるさ(She’ll be right)」的な気質の対極に位置するものであり、個性が重視され、表層的な単純プロセスを極めるという姿勢が熱意を持って受け入れられることのないオーストラリアでは、生産管理の実践自体がなかなか容易ではないともいえる。

しかし、シンカ・マネジメント共同取締役のベン・スパロー氏は、トヨタによる生産撤退の表明はあったにせよ、日本企業は独自の手法の導入を図るためオーストラリアの生産現場に多額の投資を行っていることから、こうしたオーストラリアの状況にも変化が現れつつあるという。

「日本企業は自国の産業界で当然のように実践されているリーン生産方式の技術移転を目指している」とスパロウ氏は述べている。

オーストラリア産業連盟のイネス・ウィロックス代表は、改革の必要性に触れ、「オーストラリア産業界における生産性の向上とプロセスの改善を推進できる人材の育成は急務であり、日本視察ツアーは、長年にわたり継続的改善の文化を継承してきた日本企業との関係性を構築する機会を提供してくれる」と述べている。

不動産・住宅情報ポータルサイトの運営を通じてオーストラリアの不動産業界に革命をもたらしてきたIT業界の風雲児ともいえるREAグループからも日本視察ツアーへの参加があったと知り驚いたが、ツアーを通じてリーンの現場を訪問した同社のヘリー・ウィプトラ氏は、ソフトウェア分野にも応用できる原則が多数あったという。

「REAは自動車業界で用いられているジャスト・イン・タイム生産システムの理論をソフトウェア開発にも応用し、IT業界で優勢になりつつある顧客重視型のアジャイルモデルのプログラミングや開発と融合させた」と同氏はいう。

ウィプトラ氏はまた、「REAでは、適切な情報に基づき適切な時期に決断を下し、無駄の多い大型の先行計画や文書管理を省くように心がけている」とし、「リーン方式は人間の創造力を高めるものだ」とも語っている。

高まる顧客の要求と鉄道網の老朽化に頭を抱えるメルボルンの鉄道会社メトロ・トレインズもリーン方式への転換を図った企業のひとつだ。同社の改善支援チームを率いるグレッグ・カーシオ氏は、日本研修ツアーに参加し、問題の見える化や現場と経営を隔てる障壁の撤廃を通じてリーンの理論を導入した者のひとりだ。

「継続的改善の追求においては経営陣も社員も皆同じ土俵に立っており、社員に権限を与え、リーダーシップの発揮を促すことが鉄則だ」とカーシオ氏はいう。

同氏はまた「業務遂行上の知識の多くを有しているのは現場の社員であり、問題や不手際、不安全な業務慣行が見つかった場合、経営陣は直接関与しサポートを提供しても、最終的な解決策を決定するのは現場なのだ」と述べている。

シンカ・マネジメントのスミス氏は、リーンの理論は分かりやすいものではあるが、ビジネスの場に導入するためには経営トップ層の指導力、時間、コミットメントが不可欠だと指摘する。

「オーストラリアで我々が相談に乗る企業の多くは、リーン生産方式を導入してもすぐにその効果を実感できないタイプか、あるいは一定の効果に満足して目的が達成されたと考えそれで終わりというタイプに大別される」とスミス氏はいう。

「しかし、このような考え方は、継続的改善文化の創出を目指すリーン生産方式の重要なコンセプトを見逃していると言わざるを得ない。オーストラリアの企業は、自分たちの企業がいかに成功を収めているかについて述べたがる一方、トヨタやリンナイ、キッコーマンなどイノベーションや生産、品質管理、マーケティング分野において、それぞれの業界で優位性を保ち続けている企業は、今後どれだけ改善を図ることができるかという点を重視している。」

「こうした企業は決して現状に甘んじるということがない。オーストラリアの企業と同様、彼らもまた人件費や為替レート、海外競合他社との競争の激化、原材料や燃料の輸入コストの上昇など数多くの問題に直面しているが、こうした日本企業は、世界金融危機や東日本大震災をも乗り越えて、好業績を上げ続けている。」

「とは言え、オーストラリアにもまたREAグループなどリーン生産方式を導入し、企業風土として浸透させ、業績を上げている企業もある。」

「成功を収めているこうした企業では、上層指導部が改革実行を指揮していることが多く、リーン生産方式が定着するためには、経営トップ層による積極的な社風づくりの推進が欠かせない」とスミス氏は述べている。

Rio Tinto on Lean Manufacturing in the Mining Sector

Sam Walsh addresses the ANZCCJ on Lean Mining

In November following the completion of our 2012 Lean Japan Tour I was fortunate to attend the 40th Anniversary of the establishment of the Australian and New Zealand Chamber of Commerce in Japan. It was an enjoyable night in Tokyo’s beautiful Peninsula Hotel, with the Australian Food and Beverage Manager treating guests to a superb meal, and singer Sarah Àlainn entertaining us early in the night with a number of songs from her recent debut album.

The highlight of the evening for myself was the keynote address on lean mining from Sam Walsh AO, Executive Director of Rio Tinto. Sam opened his address by talking about the trade relationship between Australia and Japan and the growth and development of the broader Asia Pacific region.

Sam then turned to his own background with Japan and Rio Tinto’s iron ore business. To my pleasant surprise Sam focused his talk on his 20-year experience in the automotive industry and how lessons learned from lean manufacturing have been critical to Rio Tinto’s mining operations.

Sam began by addressing the seemingly unrelated industries of automotive manufacturing and large-scale mineral resource extraction.

To the uninitiated, the two industries might seem worlds apart.

One manufactures highly engineered, precision vehicle components to exacting specifications. It’s an extremely competitive industry. It requires complex, hugely sophisticated and wherever possible automated plant and equipment. It demands first rate forecasting and scheduling, tight inventory and costs control and a keen customer focus. It depends upon top-flight engineering, electronics and technical expertise and lean, high performance business practices.

The other? It’s just digging big holes and scooping the dirt into trucks isn’t it? Well, no, it isn’t, not by any means. The holes are not big, they are gigantic. So are the shovels, trucks, plants, trains, loaders and ships.

Sam impressed upon the audience the scale of Rio Tinto’s operations and the modernity, complexity, technological sophistication and similarity to other complex production processes such as automotive production.

If I had to name one thing I have transitioned from what the automotive industry taught me across to what Rio’s mining operations are doing today, it would be an intense, laser-like focus on value and efficiency.

Many of us are familiar with the systems that fall under the banner of ‘Lean Six Sigma’. Pioneered by companies like Toyota and General Electric, they are far from confined to any particular industry or process. At base level it represents a concentrated intent to eliminate variation or waste at every stage of production.

Sam went on to address a question that is often asked by industries unrelated to automotive production, and is not immediately obvious to those not experienced in the fundametals that drive lean manufacturing.

But, you might ask, what does operating a collection of large mining pits in the Pilbara have in common with producing precision engine components or wheel bearings?

The answer is that that these approaches to process and production are about bigger and more general questions than a specific product or sector. At their heart they are about solving problems and the essential problem is the same for everyone. What is wasting our time, our labour, our workforce skills, our energy consumption, our resources and our money? How do we discover it, isolate it, analyse it and eradicate it?

Sam spoke proudly of Rio Tinto’s iron ore business, and how it was not just ‘a collection of pits’.

… our 14 mines far more closely resemble the component parts of a huge, highly mechanised and automated, centrally controlled factory. They operate as “one mine” and, as I said, 24/ 7, 365 days a year.
We have a fleet of 300 massive haul trucks. We recently ordered 150 new ones from Komatsu- yes, they hold 350 tonnes of ore each, but they do not hold a driver.

They are autonomous, run by advanced robotics, GPS and Artificial Intelligence. They learn the mine layouts as they go: loading sites, dumps sites, other vehicles and obstacles.

Before they get involved of course, there has to be drilling and massive blasting – again, all remotely operated.

The ore is loaded onto trains that are two and a half kilometres long. We are presently investing $520 million in fully automated, driverless trains – an unprecedented step in heavy-haul rail on anything like this scale.
Around the clock activities – the drilling, the blasting, the loading, unloading, transport by train and transfer at three port terminals to Asia-bound ships – all of it is physically controlled from Perth, 1,500 km away from the Pilbara.

The Perth facility is the nerve centre of the entire far-flung machine. Inside, 500 people run the whole system, with advanced electronics, communications and monitoring systems that are quite literally the state of the art.
They monitor the quality of ore in a drill core sample from half a continent away in real time as the drill goes into the earth.

They control the location of every one of those huge trucks and trains, but much more than that. They also monitor the engine temperature of each one, the brake wear, the oil quality, fuel consumption and a comprehensive list of other machine diagnostics, like the pit crew of a Formula 1 car.

All of these variables are constantly and intensively measured and optimized in real time to ensure the absolute best possible outcomes in performance, efficiency, wear and tear, energy consumption and longevity in these very expensive pieces of machinery.

I spoke with Sam later in the evening about the autonomous nature of the Komatsu haul trucks, interested partly because of my own experience in the field of optimisation and artificial intelligence, and because of our partner JMAC’s experience in working with Komatsu on automation of haul fleet. Sam reinforced that their trucks are capable of learning and optimising their own routes and operation, have the ability to avoid collisions, and operate independent of a remote human operator. Sam related that the truck operations were so precise that in optimising their routes and travelling in consistent paths they were beginning to wear ruts into the haul roads – and that changes were being investigated to add haul road wear as an optimisation constraint.

I particularly enjoyed Sam’s comments towards the end of his talk on the recent performance of Rio Tinto and how it is often described as ‘luck’ by many commentators.

We have seen a particular confluence of factors: extraordinary growth in an industrialising Asia, high commodity prices and the prodigious production capacity that Rio and our competitors have built over several decades. They have combined to put us in a period of terrific returns on our massive investments yet oddly seem to lend themselves to the perception that it’s all rather fortuitous.

It can be frustrating to hear people talk as though we arrived in the Pilbara last year, lucky enough to find both huge ore reserves and thousands of kilometres of rail infrastructure, developed mines, fleets of autonomous trucks and 12,500 highly skilled staff.

It’s akin to someone visiting Toyota’s vast plant in Nagoya, taking in the state-of-the-art robotics, finely tuned production process and blistering turnaround time to create a new vehicle and then saying “gee, they can assemble a car in a few hours, that’s a stroke of luck”.

All-in-all a informative talk on lean mining management and an enjoyable evening, and a wonderful opportunity to connect with the Australian and New Zealand business community in Tokyo. A special thank you to the ANZCCJ for organising the evening and for sharing the transcript of the talk and photos.

Paul Smith is a Director and lean consultant with Shinka Management Pty Ltd, specialising in the transfer of of Japanese lean management know-how to Australian industry. Shinka Management provides lean consulting services focusing on practical, implementable solutions for improving business processes and increasing productivity and competitiveness.

Lean Japan Tour – Japan Management Association Consultants (JMAC)

The lean tours have often commenced with a seminar on lean implementation in Japan, presented by JMAC. Learn more about our lean tours to Japan.

Corporate Information

Company: JMA Consultants Inc (JMAC)
Establishment: 1942
Location: Tokyo
Main Business: Business Management Consulting

Lean Characteristics
Lean Implementation in Japan

The Japan Management Association Consultants (JMAC) is one of the world’s leading process innovation consulting firms. It is the oldest, largest and most respected management consulting firm in Japan.

JMAC is responsible for creating and implementing many of the lean manufacturing tools and methodologies that are now recognized throughout the world for their levels of quality and productivity. Shigeo Shingo, famous for his significant contribution to the development of the Toyota Production System, was a JMAC consultant.

JMAC provides a full range of lean programs from experienced consultants based on teamwork with its clients and genba-focused philosophy.

JMAC continues to serve as a driving force behind innovation in industry globally.

The Shinka Management Lean Japan Tours actually commenced as the JMAC lean tour run out of Australia, prior to JMAC’s transition to Shinka Management in the region.

Tour Content

Lean Lecture

Each year JMAC provides our tour groups with a presentation focusing on lean implementation in Japan and the latest manufacturing management trends in Japan. These sessions are run by an experienced senior consultant from JMAC’s Production Division, and promotes open discussion and involvement from all participants.

Lean Manufacturing Lecture


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